
数ある資産運用方法の中でも「難しい」と思われることが多いFX取引ですが、基本的なトレードスタイルや分析方法を把握することで、より参入しやすくなります。
今回は、FX取引を始めようか迷っている方や初心者の方に向けて、FXの基本的なトレードスタイルや分析方法をご紹介していきます。
FX取引における4つのトレードスタイル
FXには、主に4つのトレードスタイルがあります。
初心者の方は、まずそれぞれの特徴を抑えておきましょう!
①スキャルピング
短時間に注文や決済を行う方法で、他のトレードスタイルと比べると利益はそれほど多くはありません。
小さな利益を積み上げるために、1日何十回も取引を行うため、売買のタイミングを見極める力が必要です。
②デイトレード
その日のうちに決済を完了する方法で、1日ごとに新しい状況で取引を行います。
このトレードスタイルのポイントは、「自分で決めたルールを守ること」。
つまり、有益に見える買いポジションを持っていても、取引終了時には決済する決断ができるかどうかが鍵となります。
③スイングトレード
こちらのトレードスタイルは、1回の取引に数日から数週間かけていくもので中期的な相場に注目しながら取引を行います。
相場の動きを細かく見ていく必要がないので、FXをする時間が限られている初心者の方におすすめです。
④ポジショントレード
1回の取引期間が数ヶ月~数年と長期間なのが特徴です。
他の方法と比べると大きな利益が得られやすいのが特徴です。
FXの基本!2種類の取引手法
FXには多くの取引手法がありますが、ここからは初心者の方に向けて基本的な取引手法を2種類ご紹介します。
①順張り
相場のトレンドを見極めて取引をしていく手法です。
相場が上昇している時は「これから伸びる」と予測して買い注文を出し、下降している時は「ここからは下がる」と予測して売り注文を出す、というのがこの手法の基本的な考え方です。
この手法で利益を得るには、現在の相場のトレンドを正確に把握できるかが重要となります。
②逆張り
順張りはトレンドに乗る手法ですが、逆張りはトレンドの終わりのタイミングで取引を行います。
相場の上がり下がりはずっと続くことはなく、上昇トレンドや下降トレンドはいつか変化します。
逆張りはこの上昇と下降が変化する時に売買を行い、利益に繋げていきます。
FXに欠かせない分析方法とは?
FXには様々なトレードスタイルや取引の手法がありますが、どの手法でも「分析力」は欠かせません。
ここからはFXの相場の分析方法をご紹介します。
①ファンダメンタル分析
FX相場は世界の経済や金融状況が大きく影響しています。
ファンダメンタル分析は相場に影響を与える情報を収集して動きを予測するというもの。
この方法だけで相場を正確に予測するのはプロでも難しいですが、ある程度把握できれば取引時に大いに役立ちます。
②テクニカル分析
チャートを見ながら為替レートを予測する方法で、次のような種類があります。
・トレンド分析
相場内の為替レートの状態(上昇、下降、横ばいなど)を見ていきます。
トレンドを見つけるための分析方法なので、「順張り」を用いてFXを行う場合に適しています。
・サポートライン
下値支持線とも呼ばれていて「これ以上は下がらない」と考えられる「水準」のことです。
サポートラインまで下落すると買戻しされ、それ以上価格が下がることは少なくなりますが、サポートラインよりも価格が下落するケースもあります。
・レジスタンスライン
上値抵抗線とも呼ばれていて「これ以上は上がらない」と考えられる「水準」のことです。
買いポジションの利益確定の基準となりますが、このタイミングで価格が下がらないこともあります。
・オシレーター分析
相場の売買の度合いを判断するための分析方法です。
相場があまり動いていないタイミングで利用されることが多い手法で、長期的な相場の変化というよりは、その時々の売買の状態を把握するのに向いています。
トレンド分析と合わせれば、より具体的に相場を把握できるでしょう。
FXに役立つ!7つのテクニカル分析方法
FX初心者にとって、プロの投資家がどのような分析方法を行っているのかは気になるポイントですよね?
ここからは、そんなプロの分析方法を7つ解説していきます。
①移動平均線
相場の一定期間の平均価格を線でつなぎ、値動きのブレをならしてトレンドの方向性を見るためのテクニカルチャートのこと。
初心者でも理解しやすい分析方法です。
移動平均線は売買のタイミングを見極めるのに適しています。
主な見極めポイントは次の2つです。
・ゴールデンクロス
買いのサイン。
短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へとクロスすること。
・デッドクロス
売りのサイン。
短期的な移動平均線が長期の移動平均線を上から下へクロスすること。
②ボリンジャーバンド
ある程度の期間の相場の振り幅をチェックし、相場の変動がどの程度かを分析、予測する手法です。
ボリンジャーバンドでは移動平均線をもとに次のような線を引きます。
・アッパーバンド2
・アッパーバンド1
・ミッドバンド(移動平均線)
・ロワーバンド1
・ロワーバンド2
分析によると、これらの線に収まるレートの確率は次の通りです。
・アッパーバンド1とロワーバンド1の間…約68%
・アッパーバンド2とロワーバンド2の間…約95%
ボリンジャーバンドでは変動の予測がチャート上に表示されるので、FX初心者でも見て分かるようになっています。
③一目均衡表
相場の流れや中長期的な見通しを示す指標のこと。
「転換線」や「基準線」、2本の「先行スパン」、運行スパンの合計5本の線を使って、時間論、波動論、値幅観測論という3つの理論をもとに分析していきます。
相場の時間軸の動向を見極めるのに適しています。
④MACD
MACDと「シグナル」というラインを用いて行う分析方法で、この2つが交差する点が売買のタイミングです。
MACDは下から上へシグナルを追い抜く時は「買い時」、逆の場合は「売り時」です。
トレンドを把握するのに便利ですが、トレンドがない状態では予測は困難で、トレンド発生前のトレンド終盤はトレンドレスに陥りやすいのがデメリット。
初心者の方は特に決済タイミングの見極めに注意しましょう。
⑤RSI
相場の「大量買い」もしくは「大量売り」の状態を分析するための手法です。
見方は簡単で、0~100%で表される数字のうち、70%以上は「大量買い」、30%以下は「大量売り」となります。
急騰や急落の際は0%や100%と極端な数値となるので注意。
⑥ストキャスティクス
こちらも、「大量買い」や「大量売り」を分析するための手法。
RSIは終値を計算しますが、ストキャスティクスはローソク足の安値や高値を含んだ分析となるので、振れ幅が大きくなります。
⑦DMI
価格の変動を数値化して、前日の高値や安値からトレンドの強弱や動きを分析します。
計算には方向性指標や実質変動幅といった多くの計算式が活用されています。
初心者がFX取引で注意すべき点とは?
FXはトレードスタイルや分析方法などを把握することはもちろん、注意点を抑えておくことも大事!
ここからは、初心者の方が得にFXで注意すべき点を解説していきます。
①取引の時間帯
FX取引は平日24時間行えますが、取引の時間帯はとても大事なポイント!
年末年始や早朝の時間帯は相場の流動性が低く、スプレッドが拡大しやすくなります。
一方、ニューヨーク市場が開かれてから30分前後は為替市場の取引が増えるので、この時間帯の取引はFX初心者にはおすすめしません。
②損切りは潔く
「損切り」とは、含み損が出た時に決済をして、損失を抑えるために行うもの。
含み損が出た時は損切りしようか迷い勝ちですが、的確に判断できないと損失が大きくなることもあるので、早めに決断をして次の取引のチャンスを待つのも大事な選択です。
③余裕を持ってFXを行う
FXでは多くの損失が出てしまうこともあります。
だからこそ、FXには生活するのに支障が出ない余剰資金で行うことが大切。
投資に生活資金をつぎ込むのはリスクが高いので、実際に取引を行う際は資金の上限を決めて行うのがおすすめです。
ライフスタイルに合ったトレードスタイルで始めよう
FXには多くのトレードスタイルがありますが、相場を確認できる時間帯やタイミングは人によって異なります。
トレードスタイルを決める時は、決して無理せず、ライフスタイルに合ったものを選択するようにしましょう。
FX初心者の方は、ご紹介したトレードスタイルや分析方法を参考にしながら、自分に合った取引手法を探ってみてくださいね。